老後資金はいくら要るのか

前項で三大資金という話をしたわけですが、その中で最後なのが老後資金です。今回の表題というわけですね。人によっては、結婚しても子供を作らない、相続できる実家があるという人の場合は、教育資金と住宅資金は考慮しなくていいのかもしれません。
そうした人達もたくさんいるでしょう。それでも老後資金だけは誰にとっても絶対必要です。そう、誰もが準備しなければならない絶対条件的な資金です。私は老人にはならないという選択はありません。つまり、何より重要度が高い資金となるのです。
さて、最近の65歳以上高齢者世帯の平均的な家計収支状況ですが、総務省の調査によるとあまり十分ではないようです。実質の毎月の生活費は約27万円だと想定されているのに対して、1ヵ月約5万円は不足するというデータが示されています。つまりこの5万円という不足分を老後の生活資金としてあらかじめ準備しなければならないのです。
そうなるとその人の余命によっても金額がかなり異なってきます。余命、あまり考えたくはないのですが、あと何年生きられるのかを表す年齢ごとの期待値(簡易生命表・平成18年版)によれば、平均余命(65歳時点)は、男性18.45年、女性23.44年と示されています。1ヵ月の不足額が5万円、65歳以降の生存期間が20年だとすると、5万円×12ヵ月×20年で「1,200万円」という必要金額が計算されます。それも、生活費の不足額だけ1200万円です。
もっとゆとりのある老後にしたいのなら、毎月の生活費は約38万円必要(生命保険文化センター調べ)とも言われています。それだと約2,600万円不足分です。このデータを見てしまうと、老後資金はまだまだ先のこと、などとは言ってはいられません。何と言っても金額があまりに大きいのです、できるだけ若いうちから準備をしなければ間に合いません。退職金、企業年金だけでは心細いのが現実です。