老後生活の実際

老後の生活費用について前項で実際の金額を示しました。老後の1ヶ月当たりの必要生活費というのは、もちろん、各人の望む生活レベルよって大きく異なります。実際にはまだ老人ではありませんから、お金を何にいくら使うかを考えてみても、あまり具体的に頭に浮かぶものでもないでしょう。それでも、現在の生活水準を維持したいのかどうか、は目安になります。
支出を徹底的に抑えて質素な生活をするのでもいいのか、老後は今までよりゆとりのある生活にしたいのか、などです。現在の生活費が30万円で、これでやりくりしている人なら、現状維持でも老後資金として毎月30万円要るわけです。少しガマンして25万円程度までは下げられるかもしれません。
逆にゆとりのある老後生活を望むというなら、現状よりも5万円、10万円を増額することになります。こうした考え方でも構いません。ただし、老後生活を想定する上で物価の上昇については注意をしなければなりません。物価が下がっていくならありがたいですが、そうとは限りません。物価が大きく上昇するなら老後生活は必ず脅かされることになります。
老後の収入源ということでみてみると、年金だけが収入という人は約64%もいます。厳密には、高齢者世帯を65歳以上の単身者、又はこれに18歳未満の未婚者が加わった世帯ということで、前回調査より9%増加しているそうです。
高齢者世帯1世帯当たりの実際の平均所得額は、約297万円(前回302万円)、その内訳は年金約210万円(前回約212万円)、稼働所得55万円です。無職世帯の1ヶ月の不足額が約5万円だとされる根拠はここにあります。老後の所得についても考えてみる必要があります。